コバ処理 やり方について
こんにちは、革村です😊
今回はコバ処理についてです。
私の得意な立体成型
(濡らして、一枚革に三次元的な変化をつけること)
の観点から考えるコバ処理をご紹介したいと思います。
今回の記事は、レザークラフト中堅の方にも、心の片隅に残ればな、と思います😊
(響かない方も、あなたは上級者という事で優しく見守ってください…)
まずはこちらをご覧ください。
どれも最近私が作ったものですが…
ちょこちょこ立体成型の技術を使っています。
簡単ですよ、濡らして革の形が変えられるうちに、型に沿わせて形をキープしたまま乾かせば、その形に革が固定されるんです😊
革 立体成型
とか、
レザークラフト 濡らす
とかテキトーなワードでたくさんの情報が出て来るはずです。
今回言いたい事は
この立体成型の観点からコバを…
とか難しく書いてますが、
殆どのコバ処理が実はこの立体成型と同じことをしてる、て事が言いたいんです😊
ある程度やすりなどで均して。
何かしらの液体の薬品をつけ。
スリッカーで磨いて。
みなさんにそれぞれのこだわり、剤があるのはもちろんですが、大まかな流れはこんな感じではないでしょうか?
やすりで均した、その後。
革をぴかぴか、平らにしているのは薬品ではないんですよ。
薬品に含まれる水分が、革を一時的に立体成型のできる状態にしてる。
そしてそのコバを、擦る、押す、と言った圧力で形を整えている(成型している)て事です。
クロム鞣しの革がコバが磨けないと言われているのは、水分で変化する性質をタンニン鞣しの革ほど持ち合わせていないからです。
添加されている薬品は、磨きに何かの効果をもたらすものではなく、乾いた後に革に残り、その形状をキープする役割だけ😊
極端な話、水分が含まれた液体であればコバ磨けちゃうんです。
こんなものでもコバが磨けた😳なんて話も聞きますが、その中の水分が…て理屈です。
だけど、コバを綺麗に成型できる水分量
水分が蒸発した後にしっかりコバをキープできる成分と濃度と強度
これらを両立している薬品て私は知らないです。
変なもので磨けるは磨けますが、後々革のシミになる原因になりませんか?
乾いてからもそれを保持できる強度があるのか試しましたか?
トコノール、めっちゃ綺麗に磨けますよね。それって、ほとんどが水だからです。なので、その後の保持力はとても弱い😰
コーティング系コバ剤は強度はあるけどつけた状態で磨けない…
だから、私は
薬品で磨く
この1つにされている工程をあえて分けてます。
水で磨き、薬品をコーティング
こんなイメージですね。
ここからは図で😊
貼り合わせ直後から、何もしていない状態
コバをやすりで整えた状態
今回も通常通り綺麗に整えるのは大事です😊
ティッシュなどで構いません、コバに水を染み込ませます。コバの色が変わり、柔らかくなる程度ですね。
スリッカーで擦っていきます。
重要なのは、力や速さよりもスリッカーの形状。
これは立体成型だと思ってください😳溝の形の通りのコバになります。
今回私は、スリッカーの背の部分で平面なコバにしました。
もうこの時点で、薬品を使わなくてもぴかぴかになってるのがお分りいただけると思います。
というか、コバは水のみで磨くのが一番光ります😊
あとは、コーティングしてこのコバをキープしてあげるんです。
ここではオーリーをお勧めしときます👍
別に、コバコートやコバスーパーなどコーティング系のコバ剤であればなんでもOK。せっかく綺麗にしたコバなので、透明色が良いのでは😊
有色のコート系は、コバを隠すとき(量産などで磨く手間を省く)によく使われるのであまり好きではないです。
コートはコバがしっかり見える透明で、折り曲げに負けずついてくるならば正直なんでも良いです。
こんな感じですかねぇ🤔
見た目はトコノールなどの水性コバ剤のような透明感を保ちつつ、でもかなりカリッとしてます。水でも溶け出さないし、割れませんよ。
そうそう、それならトコノールで磨いてから薬品でコートすれば良いじゃないかと思えますが、私やってみました。
革とコート剤の間にトコノールの層ができてしまい、うまくコート剤が乗りません。
ちゃんと水で磨くのが、革村の現状の最適解です(笑)
ちなみにトコノールのこの弱点を補うため、いろいろ添加物を加えてる方もいらっしゃるようですが…
その境地にはまだたどり着けておりません笑
まぁこのやり方が完璧とは言いませんが、強度を保ちつつ、自然な仕上がりを追えますよ😊
よければ試してみてください。
では、また〜
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